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髪濡れて 春とは言えど 菜種梅雨 冷たき雫 肌刺すばかり
<読み>
かみぬれて はるとはいえど なたねつゆ つめたきしずく はださすばかり
<意味>
It is rainning,and my hair has got wet,too.
The spring has come,and it becomes warmer and warmer.
But this rain is the rain which seems to be the depth of winters
to fall in long spell of rainy weather in early spring, April.
The cold drops sting my skin.
雨に打たれて、わたしの髪の毛も濡れてしまう。
暖かくなってもう春とはいうが、この雨は菜種梅雨。
4月に降る真冬の様な雨である。
冷たい雫がわたしの肌を刺している。
<解説>
春の天候不順な時期に降る雨を菜種梅雨というが、そのかわいらしい呼び名とは打って変わって、真冬に逆戻りしたかの様な、冷たい雨が降る。
歌が描写しているのは、その冷たい雨に濡れてしまった髪から墜ちる雫の冷たさだが、詞書(kotobagaki)にある様に、この歌を詠んだ作者の心情を推し量りながら鑑賞すべき作品である。