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雨去りて 幻影と消ゆる 宿命なれど 短き夜の 闇に再会はむ
<読み>
あめさりて まぼろしときゆる さだめなれど みじかきよるの やみにまたあわん
<意味>
雨が止んで、(わたしは)幻影となって消えてしまう宿命だけれども、短い夜の闇が訪れたら再会出来るでしょう。
<解説>
先に紹介した「建築現場ノ騒音ニ夏ヲ観テ詠メル」のアンサー・ソングとも言うべき歌。先の歌が、幻を観たものの立場を詠んだのに対して、こちらの歌は消え去るべき幻影の立場で詠んだ歌である。
今回は、白昼の幻として消えてしまうが、夏の短い夜だけれども、会える / 会いたいという表現が情感を産み出す。
「再会はむ」は可能の意味(また、会う事が出来る)にも意思の意味(また、会いたい)にも解釈出来る。歌全体の趣を捕えて、それぞれの解釈が可能だろう。