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蝉の音の かき消さるるや 夏の夕 黒雲沸きて サイレン響く
<読み>
せみのねの かきけさるるや なつのゆう くろくもわきて さいれんひびく
<意味>
蝉の鳴声がかき消されるのは、夏の夕方のことである。黒雲がわき起こり、サイレンが鳴り響いている。
<解説>
読みも意味もなんら難解なところはなにもない。ただし、これまではこの種の歌を夏の夕刻の風情を詠み込んだ叙景詩と解釈出来たが、この夏ばかりはそうもいっていられない。今週頭に関東地方を極地的に襲ったゲリラ豪雨によって、各地で被害も出、犠牲者も出ている。
不穏な夏を詠んだ歌といえよう。