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キー触るる 君のその指 軽やかに 我が疑念は 大きくなるも
<読み>
きーふるる きみのそのゆび かろやかに わがぎねんは おおきくなるも
<意味>
わたしがあなたに抱く疑念が大きくなる一方で、返信メールを打つあなたの指は軽やかに動いている。
<解説>
嫉妬の歌です。
作者の"恋人"と思しきヒトが、その恋人が間近にいるにも関わらず、己の携帯が受信したメールの、その返信を入力している。それを観た作者は、返信の内容と"その相手"に対する"恋人"の気持ちに疑いを抱いてしまう。
実際の、"恋人"と"その相手"との関係はどうであろうとも、携帯でのメールのやりとりは、意外と、外部=他者を遮断してしまう。例えば、公道を歩きながらメール・チェックを行っていると、いきなり正面から来た歩行者と衝突してしまう様な経験は、誰しもあるだろう。それと同様に、内面や意識下においても同じ様な事は、充分に起こりうる。
そして、その遮断された方の側に立って詠まれた歌が、本作品なのである。