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参院で郵政民営化法案が否決された場合は衆議院を解散するという小泉首相の意向が物議を醸している。
参議院での意思決定の結果が、何故、衆議院に波及するの? 二院政の根幹を揺るがす問題では?という、素朴な法律論なんだけれども。
個人的には、衆議院で5票差で可決、参議院では18票の行方で可否決が決するとあっては、法制度上許されない事であっても一度、国民にその信を問うてみて欲しいって気がする。
なんか、っと言うか、予想どおり公明党は解散に反対しているようですね。
では、ここで初心に帰って学生時代を思い出しながら、素朴な法律論をしてみましょう。
今回の件で問題となっているのは、法律案の議決に関する”衆議院の解散”と”衆議院の優越”である。
解散(定義):
ここで言う「解散」とは議会の解散を指し、(解散そのものは、他に法人や組合の解散がある)議員の全員に関して、その任期満了前に資格を失わせる行為を言う。
国会では、衆議院だけに解散があり参議院にはない(地方議会にも解散はあるが、ここでは触れない)。
憲法69条には衆議院で
(1.)内閣不信任の決議案が可決された場合、
または、
(2.)内閣信任の決議案が否決された場合、
いずれかの場合、内閣は
(1.)10日以内に総辞職するか、
または、
(2.)衆議院を解散するか、
いずれかを選ばなければならない、とある。
ただし、衆議院が解散されるのは、この69条の場合に限らない。
憲法7条では、
解散は”内閣の助言と承認”によって天皇が詔書によってこれを行うとあり、7条を基に内閣の裁量による解散が行われている。
(小泉首相が今回、匂わせている解散云々はこの条項に範を求めていると思われる。)
なお、衆議院が解散されると、内閣は解散の理由を発表し、参議院は閉会となる(憲法54-2)。
衆議院の優越(定義):
衆議院の権能が参議院のそれに優越すること。両院共通の所轄事項に関し、衆議院の意思(議決)が、参議院のそれに優先すること。
二院政の原則(=両院の意思が一致した場合に国会の意思が成立)の例外である。
具体例)
●予算先議権(憲法60-1)
●内閣不信任決議権(憲法69)
●(1.)法律案の議決(2.)予算の議決(3.)条約の承認(4.)内閣総理大臣の指名
上記4項のうち(1.)法律案の議決に関しては
→衆議院で可決した法案が参議院で否決された場合:衆議院出席議員2/3以上の賛成によって成立する(憲法59-2)。
従って、今回の郵政民営化法案が参院で否決された場合、すぐさま、衆院を解散させるのではなく、再び衆院で再審議を行い、その結果が出席議員2/3以上の賛成が得られない場合に限って、衆院の解散が憲法上可能となる。
先の衆院の5票差という結果を踏まえると、再審議によって2/3以上の賛成を得られる可能性は極めて低いから、結果的には解散という図式になる可能性は極めて高い。
法曹界目指すんだったら、全然駄目だけれども、この程度の事を要領良く論文形式にまとめて書いときゃあ、優は無理でも最悪、可はもらえるだろう。
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