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るいの日記

2006年03月24日

ばるんが  vol.07.

ーその少女の兄の様に、戦争が終わっても帰ってこない青年は、主人公達の暮らす村にも何人もいた。帰りを待ちわびる人々や、もう既に帰ってこないと解ってしまった家族は哀しみの日々を送るが、そんなものは時が解決してくれる。なんせ、みんな生きていかなきゃならないからな。
ーまだ、その村はましな方だった。
ー略奪、搾取、強姦、殺戮、横領、隠蔽...。
ー戦時下の生活も大変なものだったが、まだ、少なくともそこには己の政府が存在していたから、最低限の秩序と治安は守られていた。しかし、占領下は違う。占領軍のお仕着せの治安や行政は、誰も従おうとしないし、そもそも占領軍自体が最低の軍隊だった。多くの犯罪は、占領軍自らがなんらかの形でその原因に関与していたという話だ。
ーでも、まだ、その村はましな方だった。軍事施設があるとは言え、そこは新米少年兵の為の飛行場、軍事的価値も経済的な基盤も殆どない長閑な村だったからね。無能な将校に率いられた100人あまりの小部隊が駐留しているだけだった。
ーまぁ、つまり、戦争中も戦後占領下も忘れられた、時代に取り残された貧しい村。そこがその映画の舞台さ。

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2006年02月11日

ばるんが vol.06.

なぜあの時、わたしは再び図書館へと彼を誘ったのか、今となってはとっくの昔。その時のわたしの心の動きを想い起こす事は出来ない。
青空に浮かぶ「くろくて、きょだいな、ふていけいの、ぶよぶよとした」そいつを捜しに行くのならば、あの夜明けの新宿でも良かった筈だ。
きっと、わたしはばるんがは捜してはいなかった。わたしは、ここに連れて来た彼の心の動きを捜し出そうとしていたのだろう。それが図書館で見つかるとは想ってはいない。忘れ物を想い出す為には、忘れ物に気がついたその場所に戻る必要がある、そんなつまらない思いつきからだろう。

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2006年01月18日

朝ヲマツヒトビト:シリーズ「電車でGO!」

JR新宿駅午前5時。北風の吹く1月。
そとはまだ暗く夜は終わっていない。家路を辿るヒトビトがいる。職場から帰る。遊び場から帰る。
今この時は、深夜29時。昨日はまだ終わっていない。
狂った体内時計を抱えて、朗らかににこやかなヒトビト。何故なら彼らは決して独りぢゃあないから。
おつかれさま
おやすみなさい
またあした

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2006年01月13日

テヲフルカノジョタチ:シリーズ「電車でGO!」

1.
車輌の入口に二人並んで立っている彼女達
車輌の灯りに背を向けて 暗い坑内を凝視ている彼女達
紺色の制服、お揃いのお帽子 
まるでダイアン・アーバスの写真から抜け出たよう

車輌の入口に手を握って立っている彼女達
片手でこっそり耳打ち 二人だけの会話を楽しむ彼女達
お揃いの制服 紺色のお帽子 
まるでダイアン・アーバスが撮影した双子のよう

闇を抜けてホームに滑り込む度に
彼女達が手を振るよ
明るいホームから発車する度に
彼女達が手を振るよ

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dianearbusbypb.jpgダイアンの双児








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2005年11月18日

ばるんが vol.05.

「まぁ、冗談はさておき。キミの彼氏の観たものは、”大空への畏怖”ぢゃあないのかな?」
「おおぞらへのいふ?」と、Sさんが発した言葉を漢字変換できないわたしは、かろうじてひらがなで発音する。

「青く晴れ上がった空、それを駆け抜ける白い雲。季節は、そうだな、春の終わりから初夏にかけて。それは、誰だって好きだろう?」Sさんの腕が言葉以上に雄弁に語り出す。ノッて来た証拠だ。
わたしは、その問いかけの内容以上に、Sさんがこの話に興味を持ってくれたのが嬉しい。おおきな声で肯定する。
「だが、その青空は微妙な均衡で保たれていて、いつなんどき大きな黒雲が沸き起こり、白い稲妻が大地を引き裂いたり、紅い雨が私達の身体に打ち突けるかもしれない。そんな恐怖が常にあの青空にはあるんだ」
「わたし、そんなややこしい感情で、青空なんか観た事ないよ」っと酷くマトモな正論をわたしが吐くと、
「まぁ、もうすこし、わたしの話を聴きなさい」

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2005年11月06日

ネムルヒト:シリーズ『電車でGO!』

と、投稿記事のタイトルを書いたものの、電車に乗って座席を確保したら、わたし自身もネムルヒト。
そして、ネムルヒトとなったわたしは、わたし自身を客観的に見つめる事も出来ずにユメノヒト。
だから、己の事は網ダナにでもあげて、電車の中で見かけたヒトの事を書きましょう。

いつもの様に仕事終わりでとっとと帰りたいわたしはホームに駆け降ります。
今にも発車しそうな電車に大わららで駆け込んで、入口付近の人混みをかきわけて、己のスペースを確保する為に、ちょっと身震い。
急発進する電車と物理で習った慣性の法則のおかげでよろけそうになりながら、無意識に伸ばした右腕が吊革をつかんで、やっと人心地。ちょうど、エアポケットの様な、ヒト一人が収まる空間にすっぽり納まったわたしは、一安心です...。
と、思ったのもつかの間。わたしの目の前の座席を占拠しているのは、ネムルヒト。
しかも、とっても騒がしい。

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2005年10月15日

ばるんが vol.04.

季節はめぐって、あの気狂いぢみた暑さはウソの様にひいやりとした空気が街を支配している。でも、ちょっとここでは時計の針を逆廻し。あの日の暑さを思い出せるように。

10日間続いた曇り空もやっと幕引き。久しぶりに朝日が登るのを待つ。新宿の高層ビルの一角で、乱反射している、その光を和らげる様に淡い朝露が路面を濡らす。

信号が変わる。和やかな空気が次第次第に殺気立ってくる。日常が否応なく押し寄せてくる。でも、ちょっとここでは時計の針を逆廻し。あの日のあなたを思い出せるように。

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2005年09月29日

秋の陽ざしはさわやかに

今日は久しぶりにお天気も良くて、さわやかな清々しい風が心地よいです。
お昼は職場の方達と連れ立って、おべんと持参で近所の公園でお食事する事にしました。
ベンチに腰掛けて、おもいおもいのおべんと広げてもぐもぐもぐ。
青い空にふんわりと広がる雲、小さなお子さんとお母さまがたの興声。

そんな景色を眺めていたら、いつしか先輩♀の肩にもたれて、くぅくぅくぅ...。

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2005年09月23日

るいは独立?します

わたしが個人的に運営するブログ・サイト「with a kiss,passing the key」が始まりました。
たいさんが解説を書いて下さっている「るいの歌集(仮)」や、「るいの日記」(最近、書いてないので怒られた)の一部は、このままこちらで継続します。

本ブログともども、よろしくお願いします。

2005.09.23.11:00
るい

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2005年09月07日

期日前投票してきました

ただそれだけです。ワラ。

でも、へたな論陣はるより、先ずは行動した方がいいですよね。

それに、「本番」の9.11.は投票出来る場所が1箇所しかないけれども、期日前は自身にとって利便性の良い場所を選べるから、こちらの方が「地の利」は確実にあるかもしれません。
わたし自身「本番」の投票所は普段の行動エリア外ですが、期日前は通勤コースをちょっと外れた所。
台風の影響で、相変わらず激しい風が吹いていますが、雨も一段落した様なので、いつもよりもちょっと早めに出かけて寄ってみました。

会場の受付で整理券を提出して、三枚の用紙を頂いて、書くべきところに書くべきことを書いて、それぞれの投票箱にポンといれてお仕舞い。
わたしの場合、早い時間だったのか、その場にいたのはわたしだけ。待ち時間はありませんでした。会場に着いて会場を出るのに数十分とかかりませんでしたね。

あ、投票する際は、選挙管理の方々へのご挨拶はきちんとしましょうね。ーご苦労様です。

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2005年08月31日

「We[love]blog」

携帯で撮影した写真をそのままブログ上で記事として投稿出来るよ(moblog)って、悪魔のささやきがあったから、わたしは写真を撮って、その写真に誘われるまま和歌を書いてここに投稿しています。
10代の頃は毎日の様に自由詩を書いていましたが、それも昔の話。日常に埋没して、そんな時代のあった事など、すっかり忘れておりました。それが、また詩作(しかも定型詩、そのまた王道の和歌!)なんぞおっぱじめるとは考えてもいませんでした。
あぁ、それにそれまで酒の席で酔っぱらった勢いで撮影したものの使い道のない写真(翌日、あまりの気恥ずかしさで全部消去)と、それを誘発する、憎むべき携帯のカメラ機能に、よい使い道が出来たと喜んでおります。

和歌も写真もクオリティーの事なんか言い出したら言語道断ですけれども、言葉と映像を組み合わせて自分自身にとっての新しい世界を発見している毎日です。

こんなもんでよろしいでしょうか? six apartさん?

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2005年08月04日

恋愛頭脳

ブログ「真鍋かをりのここだけの話」で紹介されていた「恋愛頭脳」という性格診断/恋愛診断を、たいさんにそそのかされてやってみました。

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2005年07月21日

エンゼツスルヒト:シリーズ「電車でGO!」

そのS駅には、大学がふたつもあるクセに、各駅停車しかとまりません。もっともS駅を挟んで急行が停車する駅が両隣りにあるので、S駅にも急行が停車するとなると、三駅連続で停車する事になります。そうすると、今度は急行そのもののアイデンティティが失われる怖れもあるから、大人の事情で致し方ないのかもしれませんね。
とは言っても、都心の始発駅からS駅に行くとなると、急行に飛び乗って急いだつもりが、結局は後から来た各停に乗るハメになる事も多々あります。結局は、その始発駅から鈍行でのんびりと30分、ちっちゃな旅行をした方が良いようです。

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2005年07月16日

ばるんが vol.03.

「で、キミにはそいつがみえたのか?」
と、真顔で尋ねられたら、真剣に答えるしかない、わたしは思いっきり首を横に大きく降る。
「まぁ、そうだろうな。もし、見えたらユング正しかった事になる。なぁ、マスター?」

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2005年06月06日

ばるんが vol.02.

あの日もこんな日だった。梅雨入り直前の真夏日。莫迦の一つ覚えみたいな挨拶から始まる朝。
「今日は暑いですね」「今日は暑いですね」「今日は暑いですね」「もう夏ですね」「今日は暑いですね」「こんまま夏になっちゃうといいですね」「もう夏ですね」「今日は暑いですね」「今日は暑いですね」......

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2005年05月25日

クロイヒト:シリーズ「電車でGO!」

初夏のさわやかな陽射しというよりも、キブンは梅雨の前哨戦。蒸し暑い。午前中から悪心もするし、もしかしたら微熱もあるのかしら? なんとか最低限のお勤めを果たし終えて、あとは帰るばかり。西の空から広がってくる黒い雲から逃げる様に、電車は走る。冷房は充分すぎるほどきいているのに、ねっとりと空気が絡みつく。夕立ちはまだかしら? きょうはさいてーだわ。
できれば座って終点まで辿り着きたかったのだけれども、この時間の新宿行きの特急では、ないものねだりとほぼ同じ。吊革にしがみつく。携帯メールに夢中の女子高生の塊に、主婦と思しき年輩の女性群。楽器を抱えた若造達に、営業帰りと思しきスーツ姿の二人連れ。”train kept a rollin'”だったり”take the "A" train”だったりするんだろうな、みんなは。さいて−なのはわたしだけかも。
あれ、また、あの黒いヒトが乗ってるよ?

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2005年05月14日

眠れない夜

今夜もまた、眠れない夜。
空が白々と明けてくる頃に、最新ニュースをTVで観る。
そして今日もまた、くるっと地球が廻った事を確認して
冷えきったベッドの中で、眠りにつく。

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2005年04月24日

ニュースにあう(承前)

液晶画面にうかびあがった(脚注参照)その現場は、確かにあのビルだった。もよりの駅への最短距離で、なおかつ、通勤経路だから、イヤでもわかる。あのビルの前は、平日ならば確実にニ回は通る。今朝も通った、土曜日なんだけどさ。
いつもはない、イカつい視線、昨日まではいなかった警備員が配置されている。正面玄関の脇にひっそりと献花がなされていた。

脚注:液晶画面にうかびあがる。
メディアとしてのTVと、ツールとしてのTVを、二つながらに体現する”ブラウン管”というタ−ムも、いずれは消滅してしまうでしょう。しかし、いまだ、それに代わる表現は登場していません。”液晶画面”では、必ずしもTV と完全なイコールで結ばれないしね、いまんところ。

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2005年04月23日

ニュースにあう

いつものように、地下鉄の改札から階段を一気に駆け登り、地上に出る。
都心の地下を縦断している内に、陽は随分と傾きかけている。一ヵ月前はもうまっくらだったなと、ひとりごちながら、お目当ての場所へ急ぐから近道。裏通りへと入る(裏通りとはいっても、青梅街道と比較してだから、路巾は結構あるよ)。今日はひときわ、ビル風が強い。
路を挟んで隣のビルに、所在な気にたむろっているグループが、そこかしこ。カメラやビデオなんかの撮影機材や、ボアボアの集音マイクで、記者や取材クルー達だというのは、嫌でも気づく。
だれかを出待ちしているんだな。”ぶらさがり”っていうんだっけ。ブラウン管で見ると(この常套句も今に死語ね)殺気立ってたり華やかだったりするけれども、”その前”ってのはずいぶんお気楽なものね。
ちょっと立ち止まって観てみたい気もしたけど、急がなきゃ、約束に遅れちゃう。残念だけど、今のところはメイキングでガマンしとかなくちゃ。

「ポール牧さん死去。自殺か...」

深夜の帰宅後、TVをつけて驚いた。さっきわたしが通ったその場所が、現場だったようだ。

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2005年04月16日

むしむし大行進

お仕事の関係で、一週間に一日は、ここが東京?と思えてしまうくらい、のどかな牧歌的な風景のところに行くことになっています。まるで、幼稚園の「おうたのご本」に出てくるような、あたり一面みどりいろに染まっているそばを、小川が流れていて、今の季節、桜並木から舞い散る花々が、ゆったりとわたしを包んでくれます。
なんて、ガラにもない事をいけしゃあしゃあと書けてしまえるくらい、ここにはあたたかい風とやわらかい陽射し、のんびりとした時間が流れています。
昼食をとった後は、ベンチに腰掛けて、のんびりぼおっとしてみたり、ついうとうとしてみたりします。そんなときに限って、羽織った上着のあたりを這いずりまわってるちいさい蟲を発見して、大騒ぎのひとり大騒動の大パニック大会。
-あぁ、恥ずかしかった。

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