2007年03月03日
看病ヲ詠メル
雛の日は 微熱の君に 添い寝して 胸打つ音に じっと聴き入る
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2007年02月22日
春ヲ見イダシテ詠メル
いざ伝えん 外套手にし 待つ君に 天突く樹々も 柔らかなりと
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2007年01月20日
励ム君ヲ詠メル
風吹きて 雲流るるも 春は来る 膨らむ蕾に 重なる夢を
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2007年01月15日
行方定マラヌ想ヒヲ詠メル
冬晴れの 何処に遺るか 我が軌跡 飛行機雲も 霧消せり
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2006年12月14日
或ル朝ヲ詠メル
一夜明け 朱に染まれし 我身だに 黄金に包む 銀杏散るかな
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2006年12月11日
どんと・れっと・ゆぅ・だうんヲ詠メル
仰ぎ観よ 雨の雀は 群成すも 沈まぬ夕陽も あるやもしれず
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2006年12月09日
追ヒ出サレテ詠メル
真夜中の 灯浴びたる 濡れ落葉 未練に独り 雪降り始める
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2006年12月04日
沈ム陽ヲ追フ望月観テ詠メル
片恋ひの 冬訪ふ月を 慕ふれば この寒さをも 愛ほしく覚ゆ
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2006年11月24日
友トノ語ラヒヲ詠メル
我はただ 歌詠みたくて 歌詠まる 諍いさへも 忘れてしまへ
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2006年11月22日
しゃる・うぃ・だんすヲ詠メル
お手をどうぞ 降る葉々浴びて 戯るる 残秋の陽に 艶づく街よ
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2006年11月13日
昨夜来ヲ詠メル
雷雨唸り 来ぬ君待ちても 朝は来る 嵐去りしが 予兆に怯えむ
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2006年11月10日
疑心暗鬼ヲ詠メル
秋の陽は 鳥居の下の 待ち呆け 君居るところ 鳥々囀る
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2006年11月06日
今宵ハ満月血ガ流ルルヲ詠メル
望月も 泪流せよ 我ら逝く 君が頸にぞ 刃重ぬる
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2006年10月25日
暗キ空仰ギ観テ詠メル
傘も棄て 我が身委ぬる 君いずこ 頬を伝うは 秋の雨なりや
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2006年09月09日
『眼球譚』ヲ読ミテ詠メル：dedicated 2 Georges Bataille
この愛は 行方も知らぬ 貪らば 臀より流るる 乳の泡立ち
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2006年09月04日
樹上ヨリ下ガル彼看テ詠メル
木漏れ陽の 彷徨ひ出づる 盲蟲 戯れに触れるな 屍の匂いする
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2006年08月28日
暫シノ別レヲ詠メル
鈴虫の 声聴く頃には 君が許 ひぐらし遠く 恋の路かな
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2006年08月26日
風吹キテ躊躇ウ気持ヲ詠メル
髪靡く 夏の終はりの 曇り空 揺れ惑ふ君の 横顔を凝視る
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2006年08月21日
短歌二首：終ハリノ花火ヲ詠メル
夜に咲く 大輪ひとつ 髪に刺す 河上よりそよぐ 風は君なり
線香花火の 灯堕ちて消えて 夏は去る 闇の愛咬 あきを知らねど
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2006年08月07日
飛ビ立テヌ瀕死ノ蝉見イ出シテ詠メル
その願い 己の子らに 伝えたか 土にも還らず 我が死を曝す
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