2006年02月26日
『トゥーランドット(誰も寝てはならぬ)』 by ケン・ラッセル
もともとは10人の映像作家によるオムニバス映画『アリア』に提供した短編。
この映画は、各々が有名無名のオペラ作品の中から己の嗜好でアリア(=独唱曲)を選曲。それを自身の自由な解釈で映像化するというのが企画趣旨です。
原曲のモチーフや歌詞を忠実に映像化する作家もあれば、現代劇にシニカルにシュミレートする作家もあれば、全く独自の世界観を提示するための動機として起用する作家もあれば、単なるバックグラウンドの音響としてのみの使用に留まる作家もあるという正に十人十色の作風が揃った。結果、個々の作家のサンプル作品としても、各々の「映像と音楽とのポジショニング」を図る事もできるという作品。また、作品を観る側にとっても、その映像観や音楽観の試金石となる事受けあいの好企画。1987年の作品。
我がケン・ラッセル(Ken Russell)は、プッチーニの遺作『トゥーランドット』から「誰も寝てはならぬ」をフィーチャーする。
自動車事故で生死の境を幽行する女性が体験する臨死体験を、幻想的に、ケン・ラッセル(Ken Russell)ならではのキッチュで禍々しき美意識で描く。彼女が夢幻の地を旅している間、一昼夜に渡る蘇生回復手術が施されて、彼女自身も医療スタッフも”誰も寝てはならぬ”というのが、このアリアがフィーチュアされた由。
トリノオリンピックのフィギュアスケート女子フリーで荒川静香が、この曲を使用したので、久しぶりに観たくなりました。
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2006年02月23日
『ぼくの伯父さん』をNHK-BS2で観る
ジャック・タチ(Jacques Tati)の存在をしったのは、結構遅くて社会人になってからです。
ちなみにJLGは、ローリングストーンズとセックスピストルズが、中学生の時に教えてくれた。
そのジャック・タチ(Jacques Tati)という呪われた映像作家を知るきっかけになったのは、MEN'S BIGIの不定期刊行誌『VISAGE』での一冊まるごとタチな『ジャックタチ特集「ぼくも伯父さん」』だった。その後、程なくして今は亡きシネヴィヴァン六本木でジャック・タチ(Jacques Tati)の上映特集がかかってそこでまるまる一日費やして、『ぼくの伯父さん(mon oncle)』を含め、様々なジャック・タチ(Jacques Tati)を体験した、という訳。
脚注:JLGは、1968年、ローリングストーンズのレコーディング風景を撮影し、映画『ワン・プラス・ワン』を発表する。セックスピストルズは、彼らの最初にして最後のアルバム『Never Mind the Bollocks Here's the Sex Pistols』を1977年に発表する。その邦題が『勝手にしやがれ』。沢田研二の起死回生のヒット曲のタイトルでもあるんだけれどもね。
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2006年02月12日
映画バトン
取急ぎ、ここでは設問を先に例示しましょう。
1.PCもしくは本棚に入っている『映画』
2.今、妄想している『映画』は?
3.最初に出会った『映画』は?
4.思い入れのある『映画』は?
5.次に回す人。
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2006年02月10日
追悼:伊福部昭
毎週土曜日の21時台に伊福部マーチが全国の家庭のTV画面を彩っている。
『日立 世界ふしぎ発見』(TBS系列)枠で放送されている黒澤明組の撮影シーンを流用したCM『 「つくろう。」キャンペーン 宣言篇』、その全編に流れているのが、伊福部昭による「宇宙大戦争マーチ」である。
黒澤と伊福部、二人のAKIRAを結びつけるものがなんなのかは、ここでは書けないけれども、ある意味での東宝の表と裏である事は間違いない。二人の間に、本多猪四郎を置いてみると二人のAKIRAの鏡像関係が観えてくる筈。
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2006年02月08日
『第三の男』をNHK-BS2で観る
チターの有名な旋律が一人歩きして、いまや「ちょっと贅沢なビール」のテーマとJR恵比寿駅で列車発車を告げるチャイム音として知られるあの音楽は、もともとはこの映画のメイン・テーマ。
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2006年01月14日
『エルビス・オン・ステージ』をNHK-BS2で観る
様々な音楽的な冒険の時代であった1960年代にあって、時代に取り残された元アイドルのイメージの強かったキングことエルビス・プレスリー( Elvis Presley)が、アイドルからアーティストへの脱皮に成功する、その端緒となった1970年の作品『エルヴィス・オン・ステージ』を観る。
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2005年11月02日
『続夕陽のガンマン・地獄の決斗』をNHK-BS2で観る
監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネ、主演クリント・イーストウッド、このゴールデントリオの三部作の最終作がこの『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』。
黒澤明監督作品『用心棒』を換骨奪胎した『荒野の用心棒』、ある意味イーストウッドを喰ってしまったリ−・ヴァン・クリーフの黒ずくめの賞金稼ぎの渋さがたまらない『夕陽のガンマン』、そして本作『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』。
(ちなみに『続・荒野の用心棒』は全然別の作品。リアルタイムで観ている筈なんだけれども当時としちゃん4才、主人公が棺桶ずるずる引き摺ってた事しか憶えていません)
観るヒトによって、どれを最高作と推すかはヒト各々だろうけれども、僕個人としてはこの作品『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』がいちばん。
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2005年10月25日
松竹110周年祭
松竹は創業110周年を記念して、11月19日より約1ヶ月間シネスイッチ銀座にて、『松竹110周年祭〜日本の美がここにある』と題して、厳選された松竹作品41本を順次公開する。
詳細は公式HPをご覧下さい。
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2005年10月19日
『ブリット』をNHK-BS2で観る
期待していたものと全然違った。
主演スティーヴ・マックィーン。共演にロバート・ヴォーン(『荒野の七人』や『タワーリング・インフェルノ』でも共演)とジャクリーン・ビセットっとあるんで、痛快な刑事アクションものだと思っていたら、アメリカン・ニューシネマの影を引き摺ったシリアスな渋い映画でした。
まぁ、僕がそんな独り合点をするのも無理はない、というのは、この作品、映画としての評価よりも先にその音楽からの高い評価から先に接していたからなのだ。
担当はラロ・シフリン。個人的なリアルタイムの時系列で言うと、最初に幼児小児期にTV『スパイ大作戦』、少年期に『燃えよドラゴン』と皮膚感覚で彼の音楽に馴染んでいるうちに、クロスオーバー(今で言うフュージョンの先駆け)ミュージックの立て役者という評価を経て、しばらくその存在を忘れていたら、クラブミュージックのレア・グルーブ熱の高まりで再評価されたと言う方(あ、これはあくまでも個人的な音楽体験の中での話、御本人はずっと最前線で活躍されております、『ダーティー・ハリー』とか『悪魔の棲む家』とか『おかしなおかしな石器人』とか)。
『ブリット』という作品は、そのレア・グルーヴ再評価の渦中で触れたのであります。
えっと、ジャケット観れますか? えっ、だめ。だめですか。じゃあ、現行CDのジャケットで代用しましょう。
これです。
オリジナルLPはこのマックィーンの別カットを原色のシルクスクリーン?処理してあの時代ならではのポップ感に溢れていたんですけれどもね、...えっ? なにLP大丈夫。はい、今お話ししていたのがジャケットがこちら。
LPオリジナル・ジャケット復刻版CDです。
このイメージもこの映画の先入観を本来のテイストと異なったものにねじ曲げる要因ではなかったかと思いますが如何でしょう。で、音楽そのものも今で言うクールなアシッド・ジャズ。フルートの醒めた音色を活かした抑制の利いたグルーヴが、「ク〜ッたまらん(C 中山康樹)」。
興味あるヒトは聴いてみてちょ。本稿は、ラロ・シフリンを語るべきものぢゃあないんだから。
ここまではあくまでも落語でいうところのまくら、羽織脱いで、本論に突入しましょう。
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2005年10月09日
『キャプテン・ウルフ』の試写会に行く
有楽町 よみうりホールで行われた、ヴィン・ディーゼル主演のディズニー映画『キャプテン・ウルフ』の試写会に行った。
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2005年09月18日
追悼ロバート・ワイズ監督:ミュージカルは空撮から始まる
ロバート・ワイズ・監督のふたつの代表作にして、かつミュージカル作品である『ウエスト・サイド物語』と『サウンド・オブ・ミュージック』は、そのいずれもが序曲を奏でながら上空からの俯瞰撮影で幕を開ける。
残念ながら、いずれの作品も映画館での上映体験はしていないので、スクリーンに映った際のスケール感や映像美は想像するしかない(あ、でもその昔、大学の大教室で観た『ウエスト・サイド物語』のは、結構大きかったかも?)。
各々のミュージカル楽曲のいわゆる美味しいところ取りをした序曲を聴きながら、延々と移し出されるタイトルバックは、ある意味で冗長だし、時代がかっていて鼻白む事は否定出来ない。けれども、それは家庭用ホームシアターで映画を観ようという、後の世の我々だから言える事であって、リアルタイムでこの2作品を体験したら、どの様な感慨を持つのだろうか?
と、いうところから筆を起こしていきたい。
cf.俯瞰撮影に関しては、こちらで、適切かつ簡単な説明がありました。参照願います。
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2005年09月06日
『戦略大作戦』の<吹替版>と<字幕版>を立続けに観る
偶然に偶然が重なって、テレビ東京で<吹替版>、CS・スーパーチャンネルで<字幕版>、その双方の『戦略大作戦』を日を置かずに観る事となってしまった。
世間一般で言うカルト映画であるとか、個人的な意味でのカルトであるとかいうんぢゃあない。
そもそもの始まりというか、この映画を知るきっかけとなったのが『新映画宝庫 vol.2 ミリタリーヒーローズ 力瘤映画戦場編』というムック。僕のネタ本のひとつでもあります。このムックでは、カラーグラビアで映画の一シーンをディオラマで再現しているというチカラの入れ様だったから、自ずと興味が湧いていたのであります。
まぁ、そんなこんなな状況の元で、偶々、ひまぁ〜な昼下がりに地上波でまったり観れる条件が整ってしまったので、観る事にしたという訳。
放送終了後に件(=くだん)のムックを手にとって確認してみると、あぁ、やっぱり。この本で指摘されている見どころ(それは、世間一般的な見どころぢゃあ、勿論なくて、編集氏の片寄ったヴィジョン?)が、かなりカットされている模様。こりゃいずれノーカット版を観なけれりゃああきまへんな、と思ってたところに、またまたひまぁ〜な時間にCSで観れると解ったのでこれ幸いっ。
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2005年08月21日
『妖怪百物語』と『妖怪大戦争』をCSで観る
日本映画専門チャンネルで”「妖怪大戦争」公開記念!元祖・大映「妖怪三部作」一挙放送!”と題して、『妖怪百物語』『妖怪大戦争』『東海道お化け道中』が放映されている。そのうちの二本、『妖怪百物語』と『妖怪大戦争』を観る(『東海道お化け道中』は、なんかタイミングあわなくて観れなさそう?)。
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2005年08月15日
『GODZILLA ゴジラ』を地上波で観る
エメリッヒの『ゴジラ』。っていうか、通称ハリウッド版『ゴジラ』。
1998年制作で舞台はニューヨーク。今は亡きツイン・タワーがN.Y.全景のシーンになる度にばんばん映り込んでいます。
国内外のマニアやファンの間では、非常に評判の悪い作品だけれども、その辺を改めて考えてみながら観てみました。
単純に巨大化したイグアナ然とした容姿とか、物語後半が等身大のベビーと人間との闘い(まるで、『エイリアン2』や『ジュラシック・パーク』みたい)になってしまった等の、作劇上の設定がオリジナル・シリーズに準拠していないって事が、その批判の矢面にたっている様ですが。
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2005年08月07日
『男はつらいよ』をNHK BS2で観る
世界陸上とかなでしこジャパンとかプロ野球とか、各局スポーツ放送に血道をあげているのに背を向けて”失恋48連発”の第1発目『男はつらいよ』を観た。
寅さん(=渥美清)の初登場シーンはダボシャツぢゃあなくてネクタイ締めていたとか、さくら(=倍賞千恵子)は、どことなく仲間由紀恵に似ているなぁとか、まぁ、いろいろな細かいボケ/ツッコミ・ネタは、例によっていろいろとあるんだけれども...。
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2005年07月18日
『ハービー〜機械じかけのキューピッド』の試写会に行く
中野サンプラザで行われた映画『ハービー〜機械じかけのキューピッド』の試写会に行く。
たまたまサンプラザ前では、ロック・バンド紫のオリジナル・メンバー、チビこと宮永英一さんが音楽ユニット琉球マジックとして演奏してたので、開場前の数十分、オリオンビール片手に堪能する。
ちなみに、この映画の音楽を担当していたのが、DEVOのマーク・マザーズボーでちょっと吃驚!
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2005年07月13日
『スター・ウォーズ(STAR WARS)』を地上波で観る
はい。
と言う訳で、『スター・ウォ−ズ』シリーズ最新作にして最終作とされる『STAR WARS エピソード3 シスの復讐』は、まだ観ていません。御覧になった皆さんはいかがでしたか?
ところで、タイトルにある様に、既に公開が終了した前5作品がここ一ヵ月の間に、地上波で続々と放映された。それを整理するとこうなる。
『STAR WARS エピソード1 ファントム・メナス』 日本テレビ系列
『STAR WARS エピソード2 クローンの攻撃』 日本テレビ系列
『STAR WARS エピソード4 新たなる希望』 テレビ朝日系列
『STAR WARS エピソード5 帝国の逆襲』 テレビ朝日系列
『STAR WARS エピソード6 ジェダイの帰還』 TBS系列
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