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2005年04月19日

ライブドアとフジテレビ和解する

あえて極論を言わせてもらえば、この時点で和解が成立されないで、 6月の株主総会を迎えて欲しかったというのが、僕の個人的なホンネ。
と、いうのは、そこでは、株式会社とはなんなのか?株式会社はだれの為にあるのか?という、日本のカイシャ組織やカブヌシソウカイが避けて通り抜けて来た本質的な疑義が、あらためて問われる事になる可能性が充分にあったから。
株式会社は“従業員の為にある”のだとか、“お客様という名のエンドユーザーの為にある”とかいう、いかにも日本的な情実的な判断が入り込む余地がない程、冷徹で鋭利な資本主義的な論理だけが支配する場になり得ただろうから。
総会屋さんが支配する総会も、いわゆるシャンシャン総会も、もう、いいでしょ?卒業しましょうよ、そろそろ。
て、考えると、今回の“大人な解決”はちょっと、もったいないという気がします。

TVや他の旧メディア(とあえて言ってしまおうね!?)では、いまさらながらに、誰が勝ったのか?的な見方が話題の中心になっているけれども(純粋に資金提供して、どっちに転んでも全てが“想定の範囲内”に治まるあそこに決まっているでしょ)、それよりも大事なのは、“名を捨てて実をとって”フジ=サンケイ・グループという巨大メディアを手中に収めたライブドアが、実際にどの様な新事業を展開していくのかという事と、“好む好まざる”は別にして、ライブドアという新しいメディアを入手したフジテレビが、今度はどんな展開をしていくのかという事、このふたつです。
今の文章、前者と後者、同じ事を別の視点で観ているだけの様に読めてしまうかもしれないけれども、実は全然違う。
前者は、インターネットのちからをどの様に、これから御して行くかという問題。例えば、そのちからを(ネガティブに)如実に現わしたのが、ここ数週間の中国や韓国で起きている排日運動でしょ。あそこまで大きな影響力を発揮出来る、潜在的なちからをどうやって制御し、旧来のマスメディアと連動させていく事ができるのか?という問いかけです。
後者は、各局のお荷物となっているBSデジタル放送や、来るべき全国一律の完全地上波デジタル放送を目前にしているこの時期に、ハードではなくソフト(つまり番組)の再編成/再構築を如何に行うのかという問題です。しかも、今回もまた、“きっかけぇはぁ〜フジテレビ!”だった訳だけれども、ぢゃあ他局はどうするの?という問題も孕んでいる。
でも、それ以上に、“きっかけぇはぁ〜ライブドア!”だったわけ(この辺は去年のプロ野球再編問題に同じ)。放送メディアを我がものにしたいところは、彼らに限らず虎視眈々と狙って機会を伺っているところは、ないとはいえないだろう。今回は“白馬の騎士”然といった立ち居振る舞いのソフトバンクを筆頭にしてね。
ニュース的には、ニッポン放送株の購入価格が適正や否やを、他の株主が納得出来るのだろうかとか、フジテレビ日枝会長他の経営陣の責任問題が追求されないだろうかとか、ちょっとしたごたごたを残して、ほぼ幕引きなんだろうけれども。
実は、これから今、正に幕が上がろうとしているのかも知れません。

posted =oyo= : 03:35 | comment (0) | trackBack (0) | ニュースをみる

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