2005年04月20日
『ガデム』が好きと言ったら暗いと言われた:吾妻ひでおに
近所の本屋さんが新装オープンしたので、暇つぶしがてらに見に行く。とりあへずチェックの雑誌コーナーからぶらぶらとサブカルチャーコーナーになんの期待もしないで向かったら吾妻ひでおの『失踪日記』が平積みになっていたので、一気に読破する。「読破するって、あーた、立ち読みぢゃあないかぁ」と、出版社の声がする気がするが、作者の分身たるあじまひでおは、一向気にしていない様なので、無視する事にする。
吾妻「や、やめてくでぇ〜(汗)」
ここから逃げ出したいと思った事は何度もある。ここから消えてしまいたいと思った事は何夜もある。
じゃあ、なんで逃げてしまわないの?ここから消えてしまえばいいぢゃあない?
きみから逃げても、ここから逃げても、あいつのもとに逃げても、あそこに逃げても、俺自身から逃れる事は出来ないし、俺自身が消えてしまうこともないからね。
自我が肥大化していたそのころのわたしは、そう説明したでしょう。このおんぼろのにくたいとそれにつつまれたおんぼろなこころからだけは、わたしは逃げることなんか出来やしない。
ぢゃあ死んぢゃえば? そうすれば、きっとすべてから自由。
そうなのかな? そうかもな? そうなんだろな?
ホントにそうなんだろうな!
もうなんもおもいつかん。
ときどき、あそこで右に曲がらないで、あの道をまっすぐ行ったら今頃はどこにいるのだろう?とか、ここにしゃがんでいないで、無理してもう数時間歩き続けていたら、まだまだ先に行けたんぢぁあないかしら?とか、ふと、思う。
あの、十字路で路を別かった彼らや、この休息所からさらに先へ急いだ彼らは、僕の事をどう思っているんだろう、と、考えが及んでしまう時も、ままある。
あぁ、そうやって自己憐憫に浸っているわけね。
でも、よぉく考えれば考える程、そんなに選択肢ってなかったんぢゃあないかな。遅かれ早かれ、結局はここに辿り着いて、よそさまからみれば無駄な時間を潰している様な気がするよ。
ホントに、もうなんもおもいつかん。
posted =oyo= : 03:45 | comment (0) | trackBack (1) | たいの日記
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