2005年07月02日
『ヒーローズ』by デヴィッド・ボウイ（"HEROES" by DAVID BOWIE）
前回取り上げた『黒船
ブライアン・イーノ（BRIAN ENO）とがっぷり四つに組んで制作した、ベルリン三部作のひとつ[残りの2作品は『ロウ
所謂、ロック史的に見ると、その衝撃度や後に与えた影響を考えると、『ロウ
プロデュースは、ボウイと彼の盟友トニー・ヴィスコンティ（TONY VISCONTI）。
ロバート・フリップ（ROBERT FRIPP）のギターとブライアン・イーノ（BRIAN ENO）のシンセ/キーボードが奏でるふわふわとした主旋律と、それに対峙するかの様な、カルロス・アロマー（CARLOS ALOMAR）による鋭敏な刃物のような硬質なギター・カッティング。
このサウンドの質感は、後の80年代のポスト・パンクからニュー・ウェイヴ、そして現在の音響派/エレクトロニカと呼ばれる一群に多大な影響を与えるんだけれども、それよりももっと重要なのは、この曲の詩です。
最初はゆっくりと、語りかける様に始まるそれは、徐々に熱を帯びたものになるのだけれども、歌詞カードなんか脇に置いて、じっくりと耳を傾けるのがよい。それだけわかりやすい唄です。
IやKING、YOUやQUEENといったシンプルな言葉が紡ぎ出すのは、純粋なラヴ・ソング。そのラブ・ソングの主人公達の置かれている状況をシンボリックに語るWALLやGUNSやDOLPHINEといった幾つかのキーワード。
ベルリンに壁があった時代、その時代とその状況が育んだ文化や音楽や映像や意識、そしてそこに赴かなければならなかったボウイの精神状況から、「極限状況に置かれた愛のかたち」という説明もあるけれども、そんな大時代な手垢にまみれた言葉で語り尽くせないものがあると、僕は思っています。
ものづくし（click in the world!） 12.：
"heroes" DAVID BOWIE
Side A
BEAUTY AND THE BEAST(Bowie)
JOE THE LION(Bowie)
"HEROES"(Lyrics by Bowie/Music by Bowie- Eno)
SONS OF THE SILENT AGE(Bowie)
BLACK OUT(Bowie)
Side B
V-2 SCHNEIDER(Bowie)
SENSE OF DOUBT(Bowie)
MOSS GARDEN(Bowie-Eno)
NEUKOLN(Bowie-Eno)
THE SECRET LIFE OF ARABIA(Lyrics by Bowie/Music by Bowie- Eno-Alomar)
DAVID BOWIE vocals,keyboards,guitar,saxphone,koto
CARLOS ALOMAR rhythm guitar
DENNIS DAVIS percussion
GEORGE MURRAY electric bass
ENO synthesizers,keyboards,guitar treatments
ROBERT FRIPP lead guitar
Background vocals:David Bowie,Tony Visconti,Antonia Maass
Recorded at Hansa by the Wall,Berlin
Engineers:Tony Visconti,Colin Thurston,and Mountain Studios,Montreux
Assistant Engineers:Dave Richards,Eugene Chaplin
Mixed at Mountain Studios,Montreux
Cover Photograph:Sukita
Produced by Bowie and Tony Visconti
尚、僕の持っている日本版LPは、立川直樹氏の解説付きです。
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