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2005年07月06日

5票差:郵政民営化法案衆院通過。

この僅差がどういう意味合いを持つのか(もしくは持たないのか)、それはこの後の参議院へと主戦場を移してみないとよくは解らない。
無事通過させた方の、つまりは(今日のところは)勝ち組である執行部/民営化賛成側が、眉間に皺寄せて神経性胃炎に罹った様な表情の一方で、負け組の民営化反対側が心持ちほろ酔い気分で怪気炎を上げている、というなんとも言えない不思議な光景がいくつものチャンネルで観られた。
国民の関心が薄いとか、野党側がだらしないだとか、靖国問題安保理問題サマワがそろそろ本格的に危険になってきたとか等の重要な外交/国際問題が放ったらかしだとかで、いまいち、盛り上がらないこの問題。本来ならば、すわ政局か解散/総選挙かと、政治日程を見据えながら、政治部記者やコメンテイターの頑張り処なんだけれども、そういう雰囲気でもない。何故だろう?

なんらデータ的な裏付けもない、単なる直感でしかないのだけれども、政局や国政選挙といった波瀾ぶくみの様相を呈する都度に、そのキャスティング・ボートを握る公明党の存在が、結局は、重要なファクターになっているんぢゃあないかしら?
今回の法案審議日程(都議会選終了後に衆院通過)も、公明党の強い意向を受けてのものだし、造反者に対しては次回選挙に際して公明党は推薦は出さないって言っているんでしょう?
否、そんな解り切った、目に見える事象ではなくて。

つまり、言いたいのはこういう事なんだ。
今回の件は、政策論争でも勿論ないし、自民党の中だけのお家騒動だけでもない。「親小泉v.s.反小泉」や「改革派vs守旧派」といった単純な二項対立でもないし、ポスト小泉の、次の首班候補の争いでもないし、既得権益の争奪戦だけでもなくて、実は「親公明党vs反公明党」というファクターも大きいんぢゃあないかしら?

例えば、政策論争で自民党ががたがたしているのならば、それと共鳴して民主党もがたがたすると思うんですよ。民主党は反自民で結束している様なところもあるから、自民党員よりも右派な党員もいれば、社民党よりも左派な党員もいる、それが民主党なので。自民党民主党、各々の中で、「民営化賛成vs民営化反対」で分裂して政界再編成が促進されても、おかしかない訳です。本来行われるべき政策論争が展開されれば。
それなのに、今回何故か、影が薄いと揶揄されながらも、民主党は民営化反対という形で文字通りの大同団結してしまったぢゃあないですか。つまり、事の是非はともかくとして、民主党は「野党の本分」に徹する事が出来た訳です(手法自体は、反対の為にする反対であって、岡田さんの生真面目さだけが取り柄です)。こういう場合、これまでの自民党だったならば、正に「与党の本分」に目覚めて、一致団結する筈なんですが。常日頃、反小泉を表明している大物議員や、ポスト小泉を狙う派閥の領袖ならともかく、内閣の身内から造反者が出たりしては、ねぇ。党としての求心力が衰弱しているとしか思えない。
だから、郵政民営化や反小泉の影に隠れた大きな見えないファクターがあって、それが今回、大きなチカラを発揮しているんぢゃあないかと、睨んでいるんだけれども、どうでしょう? そのうちのひとつが「公明党」というキャスティング・ボートぢゃないかと、その可能性を大いに怪んでいるんだが。

ここから先は、参院の表と裏で行われる筈の丁々発止をみながら考えるとしましょう。

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