映像を喚起する音というものがあります。普段、見なれた景色であっても、その音が聴こえると、状況が一変する様な音が。

自宅のそばには消防署があるので、時折、けたたましいサイレンの音がします。さすがにもう随分と慣れましたが、それでも一瞬、どきりとするのは否定出来ません。
最近は、このブログの連載用に、カメラ付携帯でへんてこりんな写真を撮っているせいか、日常的にフォトジェニックな映像に飢えている様です。さぁ、携帯持ってサイレンの音を撮らなくちゃぁ！
でも、一瞬、立ち止まって考えます。僕の欲しい映像は、消防車や救急車や事故現場や火災現場ぢゃあなくて、今、見慣れた雑然とした部屋の中や、窓から観える街並みが、あの一瞬の音で、日常が全く異なったものに見えた瞬間なのだと。
だから、カメラ付携帯ひっつかんで、すっとびの辰（C 大岡越前）してもしょうがないんですよね。
勿論、サイレンの音だけ収録しても駄目だし、サウンド付きの画像で入手したからといって、あの一瞬の自身の心の揺らぎを再現出来るかというと...。

だから、今回は花火の映像は勿論、盆踊りの風情も撮影していません、という単なる逃げ口上なんですよ！？

この項きっと続きます。