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2005年10月21日

流レ行ク時ヲ詠メル


群成して 西へと向かふ 鰯雲 その海の底 君を待つ我

るい詠める

<読み>
むれなして にしへとむかう いわしくも そのうみのそこ きみをまつわれ

<意味>
まるで本物の鰯が群なして泳いでいるかの様に、鰯雲が西へと流れている。その海の底の様な空の下、わたしは恋人が来るのを待っている。

<解説>
大きなイメージが広がる歌である。鰯雲を魚の鰯に、空を海と比喩する発想はやや安直だが、青と白のイメージのコントラストが美しい。その「空の下」=「海の底」で、恋人を待つ作者の心情はいかなるものか、具体的には語られてはいない。読者個々人の自由な解釈に委ねられている。

(この項:たい)

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