2006年03月24日
ばるんが vol.07.
ーその少女の兄の様に、戦争が終わっても帰ってこない青年は、主人公達の暮らす村にも何人もいた。帰りを待ちわびる人々や、もう既に帰ってこないと解ってしまった家族は哀しみの日々を送るが、そんなものは時が解決してくれる。なんせ、みんな生きていかなきゃならないからな。
ーまだ、その村はましな方だった。
ー略奪、搾取、強姦、殺戮、横領、隠蔽...。
ー戦時下の生活も大変なものだったが、まだ、少なくともそこには己の政府が存在していたから、最低限の秩序と治安は守られていた。しかし、占領下は違う。占領軍のお仕着せの治安や行政は、誰も従おうとしないし、そもそも占領軍自体が最低の軍隊だった。多くの犯罪は、占領軍自らがなんらかの形でその原因に関与していたという話だ。
ーでも、まだ、その村はましな方だった。軍事施設があるとは言え、そこは新米少年兵の為の飛行場、軍事的価値も経済的な基盤も殆どない長閑な村だったからね。無能な将校に率いられた100人あまりの小部隊が駐留しているだけだった。
ーまぁ、つまり、戦争中も戦後占領下も忘れられた、時代に取り残された貧しい村。そこがその映画の舞台さ。
posted =oyo= : 01:36 | comment (0) | trackBack (1) | るいの日記
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