2007年09月23日
"FOR THE LOVE OF HARRY : EVERYBODY SINGS NILSSON"
本作品のアルバム・ブックレットに記載されたクレジットを読んでいくと、何かと眼に止まるのが次の表記です。
「courtesy of〜」
辞書的には、「 by courtesy of〜」と使用される熟語で「〜の好意によって」とか訳されます。
一応、大学受験に使用した英和辞書に例文と共に表記されていて、予備校での朱筆の跡があるけれども、実際の試験には、とんとお目にかからない熟語です。
[例文] This concert was presented by courtesy of the German goverment.(=この音楽会はドイツ政府の好意による提供でした。小学館新選英和辞典より)
どちらかと言うと、洋楽のアルバムでのジャケット・クレジットで見かける頻度が高い熟語ですが、皆さんは如何でしょう?
[例文] Randy Newman appears coutesy of WARNER BROS.RECORDS INC.(=ランディ・ニューマンはワーナ−・ブラザーズ・レコード株式会社の好意によって本作品に参加している。)
つまり、ランディ・ニューマン(Randy Newman)は、ワーナ−・ブラザーズ・レコード株式会社(WARNER BROS.RECORDS INC.)との契約下にあるものの、その契約の特例として本作品に参加している、という意味です。何故、そういう事が起こりうるのか?
例えば、契約を交わしている主体同士のチカラ関係だったり、契約の主旨を曲げてまでその作品に参加させる意義(プロモーション・タイアップとか)を各々が見い出し得るとか、いろいろな台所事情があると思います。
しかしながら、この「coutesy of〜」という熟語を見い出したならば、レコード会社の枠を跳び越えて、契約の垣根を跳び越えて、アーティストが主体的に行動した結果だと看做せば、宜しい。
そして、この作品は数多くの「coutesy of〜」に支えられて完成した作品であるのです。
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