2008年10月10日
秋ノ影法師ヲ詠メル
待ちあぐね 延びる夕陽の 橋の際 影のみ先に 向こうへ渡る
るい詠める
<読み>
まちあぐね のびるゆうひの はしのきわ かげのみさきに むこうへわたる
<意味>
あなたを待ちあぐねている橋の袂で、秋の夕陽が傾いて、影だけが先に向こう岸へと渡りました。
<解説>
ここ一週間程、ぐづついた天候が続いていたので、ずいぶん、久しぶりに陽の光を浴びた様な気がする。しかも、わずか一週間の間に、日中の時間も大分少なくなった気もするし、太陽も低く昇り早く西へと傾いているようだ。
だから、朝夕の、己の影法師の背もかなり長く細くなっている。
橋の袂で待っている作者は、己の長く延びた影を観て、己のこころが逡巡しているうちに、己の影のみがとっくに意を決して、次なる行動に移ったと観ている。
ただし、この歌だけでは、待ち人の下へと馳せ参じたのか、それとも、踵を返して待ち人を見捨てたのか、それは解らない。
(この項:たい)
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