2008年10月17日
憂鬱ナ秋ヲ詠メル
我が闇に 木霊するのは 君の嘘 秋の帳に イルミネーション
るい詠める
<読み>
わがやみに こだまするのは きみのうそ あきのとばりに いるみねーしょん
<意味>
わたしのこころの闇にあなたがついた嘘が木霊している。あなたがわたしに飽きた様に、夜の帳が降りて、イルミネーション(が輝いてる)。
<解説>
第四句「あき」は常套的な手法だけれども、「秋」と「飽き」の掛詞。上の<意味>の項も、それを折り込んで訳してみた。
ところで「夜の帳」とは日暮れ時を指す言葉だけれども、「帳」の本来的な意味は、カーテンなどの垂れ幕の事。「イルミネーション(Illumination)」という言葉(そして勿論「嘘」とも)と呼応して、作者とその恋人との関係性が演劇的な空間や虚構の世界にある事を類推させる。
その一方で、こころの中は「闇」だけれども、周囲は「イルミネーション(Illumination)」が輝いているという対照性や、それら視覚的な言語に呼応する「木霊(Echo)」という聴覚的な言葉が、使用されている点にも着目すべきであろう。
(この項:たい)
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