2008年11月07日
献花シテコレデ五年ヲ詠メル
夕暮れに 橋を渡れと 呼ぶ君よ 路傍の花は 誰が為なりや
るい詠める
<読み>
ゆうぐれに はしをわたれと よぶきみよ ろぼうのはなは たがためなりや
<意味>
夕暮れに「橋を渡れ」とあなたが呼ぶ。路傍に献花された花は、誰の為のものだろうか?
<解説>
どうゆう状況を詠み込んだ歌であるのか、というのは<意味>の項を読んで下さい。
さて、この歌をどう解釈すべきか?
少なくとも、ふたとおりの解釈が可能である。
ひとつは、歌の主人公に同行した「君」が、献花という亡き者を悼む儀式を終えて、「この橋を渡ろう」と呼びかけている歌。つまり、早く現実の世界へと戻ろうと呼びかけているのである。
それに対する、主人公の「誰が為なりや」は、「君」も、共に亡き者を悼むべきであると,返答しているのである。恐らく、その亡き者は、共通の知人や親類等であろう。
もうひとつは、亡き者自身が「君」である場合の歌。ちょっと怪談じみてはいるが。但し、この解釈の場合、「橋を渡れ」の解釈は幾つにも可能である。
「己の事を忘れて現実界へ還れ」とも「黄泉(Huang quan)へ来い」とも解釈出来るのである。
(この項:たい)
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