2009年01月23日
感情ノ捌ケ口ヲ見出セズヲ詠メル
濡れて帰る 冬降る雨の やさしさよ 流れておちて 泪とならん
るい詠める
<読み>
ぬれてかえる ふゆふるあめの やさしさよ ながれておちて なみだとならん
<意味>
冬の雨が、濡れて帰宅するわたしを流れておちて、涙となっている。なんと、雨のやさしい事だろう。
<解説>
「いっそ、涙が溢れ出てくれればいいのに」と、いう台詞を誰かのどこかの、小説かマンガで読んだ事がある。己の内心に封じ込められた感情の、向かうべきところや向ける手立てが、見出せないとき、それは、とても苦しいものだ。
だから、作者の様に、己が流す涙(それは感情の捌け口とでも言うべきものだ)の代替が現れた際は、ほんの少しでも救わた気持ちになるのかもしれない。但し、それが冷たい冬の雨というところが、内心の痛々しい感情を吐露している様だ。
(この項:たい)
posted =oyo= : 00:27 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.rtm.gr.jp/mt/mt-tb.cgi/787