2009年07月10日
梅雨ノ夜二語ラヒシヲ詠メル
きみの言葉 虚しく響きて 折る鶴を 弄ぶ頃 また雨が降る
るい詠める
<読み>
きみのことば むなしくひびきて おるつるを もてあそぶころ またあめがふる
<意味>
あなたの言葉が虚しく聴こえるので、鶴を折っている。完成して置いてあるその鶴をもてあそぶ頃には、また雨が降っている。
<解説>
第三句の「おる」を「折る」と「居る」の掛詞として解釈してみた。
解釈が難しいのは、時間の経緯だ。
鶴を折っている (Grue en papier) 時と、出来上がった鶴を作者が「弄」び「また雨が降る」のは一連の時間軸に沿っているのだろうか。
ふと、想ったのは鶴を折っている (Grue en papier) [この時に作者の眼前には"きみ"はいる]時から、随分時間が経過して、独りっきりになった時に詠んだ歌という解釈が成立するからなのだ。
と、なると「きみの言葉」の空虚さや孤独感というものが、一層、引き立たされている様に、この歌の中で降り出した雨の音の中に響いてくる。
(この項:たい)
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