2009年08月14日
盂蘭盆会ニ詠メル
夕暮れて 消え失せたるや 見知らぬ仔 打水濡れたる 蝉の骸に
るい詠める
<読み>
ゆうぐれて きえうせたるや みしらぬこ うちみずぬれたる せみのむくろに
<意味>
夕暮れが迫って来たら、(さっきまでいた)見知らぬ子供が消え失せていた。蝉の屍骸が打水で濡れている。
<解説>
きっとその"見知らぬ"子供は、両親のお盆休み (Bon Festival) に同道して来た子供なのだろう。夕刻になって帰省先の実家に引き上げたに違いない。と、納得したくても、何となく腑に落ちないのは、やはりこの時候の性分というものだろう。ふと、観れば、蝉の屍骸が路に転がっている。まだ乾ききっていない打水 (Uchimizu) の、その水に濡れているそれは、ほんのつい先程まで生きていた蝉だ。
昨日のニュースによると、隅田川河畔にある隅田公園には油蟬 (The Large Brown Cicada) 一種類しか居ないという。東京大空襲 (Bombing Of Tokyo) で、地域の昆虫殆どが絶滅し、戦後復興 (Postwar In Japan) 後は多くの昆虫達が生態系を回復し得たが、樹々を棲処とする蝉は、飛行距離の比較的長い油蟬 (The Large Brown Cicada) 以外は未だに、この公園に辿り着けていないのだという。
(この項:たい)
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