2010年04月30日
休ミノ朝ノ独リヲ詠メル
夢観てふ きみが腕を 手にてなす 皐月呼ぶ風 疎んじらるる
るい詠める
<読み>
ゆめみちょう きみがかいなを てにてなす さつきよぶかぜ うとんじらるる
<意味>
夢を観たという。あなたの腕を「手にてなす」と。5月を呼ぶ風が、疎ましく思えて仕方ない [朝]。
<解説>
初句の「夢観てふ」は、「ゆめみちょう」と読む。「てふ」は引用を表す言い回しで、「〜という」と訳す。
第三句の「手にてなす」は、中原中也 (Nakahara Chuya) の詩『朝の歌 (Asa No Uta : Morning Song)』の一節で、技法で言えば本歌取りとなる。だから、その詩で謳われている抒情や叙景を踏まえて解釈すべきところ。
歌の字面だけを追えば、"あなたの腕を己の掌で手にした"となるが、『朝の歌 (Asa No Uta : Morning Song)』ではこの句は「なにごともなし」と続く。だから、その腕がない、あなたがいないとも解釈出来る。
どちらが良いのだろう。しかも「夢」の中の出来事である。
連休初日の今日は、各地で悪天候だったらしいが、東京は昨日の激しい雨も遠のいて、爽やかな日となった。
結句「らるる」は、自発の助動詞「らる」の連体形。"朝"とか"夢"とかの体言が省略されている。
(この項:たい)
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