2011年09月15日
長月ノ残暑ヲ詠メル
頸筋に なごりの汗か 彼岸前 未練の紅を 拭ひてもまだ
るい詠める
<読み>
くびすじに なごりのあせか ひがんまえ みれんのべにを ぬぐいてもまだ
<意味>
彼岸前に、 [夏の暑さの] 名残の汗と言うのだろうか。未練の残る口紅を拭ってもまだ [汗が流れている]。
<解説>
歌そのものは、「口紅を拭ったのにも関わらずに、彼岸前の残暑のせいか汗が流れているよ」という解釈が成立する訳だけれども、第二句の「なごり」と第四句の「未練」で、歌を詠む前の情景やその際の作者の心象が慮れる。しかし、慮れるばかりで具体的なものはなにひとつ解らない。詞書の「残暑」と呼応して、「終わらなさ」や「終われなさ」そしてそこから連想される「やりきれなさ」を読み取れるばかりなのである。
9月も半ばを過ぎたというのに、この暑さである。夏バテを通り越した疲弊感ばかりが日々続く。
暑さ寒さも彼岸までとは言うが、さて。
(この項:たい)
posted =oyo= : 23:33 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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