2011年09月29日
来年ノ間近キヲ知ルヲ詠メル
言ひかねて めくるひめくり 僅かなり 衣替へに観へゆ 焦りの色
るい詠める
<読み>
いいかねて めくるひめくり わずかなり ころもがえにみえゆ あせりのいろ
<意味>
言い出しかねていたら、毎日めくる日めくりも残り僅かだ。衣替えの際 [衣服には] 焦りの色が [浮かんでいる様に] 自然と観えてしまう。
<解説>
あんなに暑く辛かった夏も去ってしまえば、この週末でもう10月になるのである。秋真っ盛りと言うけれども、その一方で、来年の手帳やカレンダーはもう発売されているのである。
結論を先送りにしていたら、季節にどんどんと取り残されてしまった、と言う歌。
下の句が九五と破調だけれども、衣替えに象徴させた衣服の色彩に、焦りの色という慣用句を掛けたところを評価すべきか。
ちなみにその問題の第四句「観へゆ」は、ヤ行下二段活用動詞「みゆ」未然形 + 自発を顕わす助動詞「ゆ」終止形で、「自然とみえてしまう」とか「みえないわけにはいかなかい」と訳すべきだろうか。「みゆ」自体に自発の意味があるんだけれどもね。語調の問題かそれとも自発の意を強調したいがため、そのいずれかだろう。
(この項:たい)
posted =oyo= : 23:44 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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