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2012年02月16日

春待ツ心ヲ詠メル

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孤閨の冬 戯るる指も 凍えなむ 東風吹かばとや つぶやくのみか

るい詠める

<読み>
こけいのふゆ たわむるるゆびも こごえなむ こちふかばとや つぶやくのみか

<意味>
独り寝る夜の冬は、 [独り遊びで] 戯れている指も凍ってしまうだろう。「東風吹かば」なのだなぁと、つぶやく事しか出来ないのだろうか。

<解説>
第四句「東風吹かば」とは、言うまでもなく菅原道真 (Sugawara no Michizane) の『東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ (When the east wind blows let it send your fragrance, oh plum blossoms. Although your master is gone, do not forget the spring.)』の本歌取りである。菅原道真 (Sugawara no Michizane) のこの歌は、太宰府 (Dazaifu) に左遷される彼が、自宅にある梅に事寄せて詠んだ歌。と、なると、初句での「孤閨の冬」とあわせて解釈すれば、別れてしまった恋人への歌と、解釈出来ない事もない。
第三句「凍えなむ」は、下二段活用の動詞「凍ゆ」連用形 +完了の助動詞「ぬ」未然形 + 推量の助動詞「む」終止形。「凍ってしまうだろう」とか「凍っただろう」と訳す。
なお、第四句「や」は、ここでは詠嘆を表す間投助詞として訳してみた。

(この項:たい)

posted =oyo= : 23:29 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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