2012年05月03日
雨ノ夜ノ底ヲ詠メル
ふたり融け 交はるそこには ひとつのみ 蟲の八肢 いき孕む肚
るい詠める
<読み>
ふたりとけ まじわるそこには ひとつのみ むしのやつあし いきはらむはら
<意味>
二人が融解する様に交わっている [雨の夜の] 底ではたったひとつの躯だけがある。八本脚の蟲が呼吸している腹は、生命 / 霊を孕んでいる腹。
<解説>
第3句は、「のみ (=Onky)」と「の身 (=One's Body)」の掛詞。但し、それに気づかずに解釈しても、それを意識的に訳に反映させようとしても、いずれにしても、イメージ的には大差がない。外形的にも内面的にも、ふたつがひとつになってしまっているという情景だ。
それよりも、結句の「いき」を「呼吸 (=Breath)」にも「生命 / 霊 (The Spirit)」にも解釈出来る方が大事かもしれない。個人的には、白蟻の女王 (Queen Of Termite) の、白く大きな腹部を想い出してしまった。
だから、上句と下句をあわせてどんな解釈が出来るのか、それは詠むヒトによってそれぞれ異なるかもしれない。
昨夜から雨が降っている。菜種梅雨と呼ぶには遅すぎて、五月雨と呼ぶには早すぎる。後者は、本来ならば旧暦の5月、つまり本格的な梅雨を指しているからだ。
(この項:たい)
posted =oyo= : 23:05 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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