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2012年06月28日

水無月ノ景ヲ詠メル

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牡丹より 遅れて散るか その花は 手向けるべきや 落人の頸に

るい詠める

<読み>
ぼたんより おくれてちるか そのはなは たむけるべきや おちうどのくびに

<意味>
牡丹よりも遅れて散るのだろうか、その花は。[もしそうならばその花を] 落人の頸に手向けるべきなのだろうか。

<解説>
恐らく、詠われている花は、牡丹 (Peony) にも似た大輪を咲かせるモノなのだろう。
牡丹 (Peony) の開花時期は4〜5月だから、とっくに散ってしまっている。だから、この花は牡丹 (Peony) ではない、という判断をしている様だ。
なんとなれば、牡丹 (Peony) という花は、花びらが一枚一枚墜ちるのではなくて、 (Sepal) から上がすとんと墜ちる。その様は、頸が落とされる様を連想させて、大変に縁起が悪いのである。
だから、時節柄、牡丹 (Peony) ではない以上、この花を死者の手向けの花としてもいいのだろう、という解釈をしている様だ。
ただ、問題は結句に顕われる落人が、ナニを顕わしているのか、という点である。
通常は、戦に負けて逃亡中の武士をさすことばなのだが。
余程の事がなければ負け戦必至とも想われるこの時勢で、敵前逃亡 (Desertion) したいのは、やまやまなヒトビトばかりなのだ [かくいうぼくも ...]。

(この項:たい)

posted =oyo= : 23:19 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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