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2012年11月29日

冬ノ湯浴ミヲ詠メル

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君を待つ ちいさき水面は 静かなり 浮く泡ひとつ 漂ふ音すら

るい詠める

<読み>
きみをまつ ちいさきみなもは しずかなり うくあわひとつ ただようおとすら

<意味>
あなたを待っているちいさな水面は静かである。泡がひとつ浮いてそれが漂う音でさえ [聴こえない]。

<解説>
二通りの解釈が出来ると思う。
ひとつは字面通りに解釈して、恋人の訪問を待っている作者が独り先に入浴していると解釈するモノ。ここから先にさらに読んで、恋人が入浴してくるのを独り湯船で待っているという解釈もあるのかもしれない。
そして、もうひとつは、第2句「ちいさき水面」そのものを作者自身の暗喩 (Metaphor) として解釈する方法である。
なお、結句「すら」は、副助詞で「〜でさえ」と訳す。この歌の場合、言い差しで止めているので、以降の文をどの様に継ぐべきなのか。上の<意味>では「聴こえない」と補ったが、それ以外のことばも可能だろう。

(この項:たい)

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