2012年12月20日
無音ノくりすますヲ詠メル
省みれば 虚飾の影に 怯ゆなり 訪なふ者なく アーバスのツリー
るい詠める
<読み>
かえりみれば きょしょくのかげに おびゆなり おとなうものなく あーばすのつりー
<意味>
想い返してみれば、[そのツリーが浮かび上がる] 虚飾の影に怯えるのである。訪れるモノもいない、アーバスが撮影したそのツリーには。
<解説>
結句「アーバスのツリー」とは、写真家ダイアン・アーバス (Diane Arbus) が1963年に撮影した作品『リヴィング・ルームのクリスマス・ツリー (Xmas Tree In A Living Room In Levittown, L. I., 1963)』の事である。初句「省みれば」という語句から判断すれば、作者がふと、以前に観たその作品を想い返し、その想い返した心象をそのまま詠んだ歌なのだろう。
ただ、それをひっくり返して解釈すれば、その作品世界に相通じる光景に、正に今、作者自身が立ち会っている。そんな可能性も否定出来ないのである。
(この項:たい)
posted =oyo= : 23:10 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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