2013年01月03日
辛キ世ヲ詠メル
きみの胸に こころ寄せても また現実 観るも叶なはじ 若菜摘む夢
るい詠める
<読み>
きみのむねに こころよせても またうつつ みるもかなわじ わかなつむゆめ
<意味>
あなたの胸の中にわたしのこころを預けてみても、また現実 [の厳しさが迫ってくる]。若菜を摘む夢も観る事も出来ない。
<解説>
字義通りに読めば、現実の辛さや苦しさの為に、恋人の側に居てもこころ休まらず、夢の世界に逃避する事も出来ない、となる。
だが、結句の「若菜摘む」を、光孝天皇 (Emperor Koko) の『君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ (For you, I went out to the fields to pick the first Spring greens all the while on my sleeves a light snow falling.)』の本歌取りと解釈したら、どうだろう。
もう少し、にっちもさっちもいかない具合がより具体的になる様な気がする。つまり、本歌の初句「君がため」が想起されて、あなたの為になす術がない、という、より差し迫った苦しさが加わる様に思えるのだ。
(この項:たい)
posted =oyo= : 21:43 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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