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2013年02月28日

二月尽ヲ詠メル

20130228.jpg
対の岸 御神渡りすべきや きみがもと みづぬるむ夜を 待つべきかは

るい詠める

<読み>
ついのきし みわたりすべきや きみがもと みずぬるむよを まつべきかは

<意味>
対岸へと御御渡りすべきだろうかあなたの許へと [考える。それとも] 水温む夜をまつべきだろうか [と逡巡している]。

<解説>
第2句「御神渡り (The God's Crossing)」とは、冬の諏訪湖 (Lake Suwa) に観られる現象で、凍結した湖面に走った亀裂が盛り上がる現象である。その現象が、向かい合う諏訪大社 (Suwa Taisha : Suwa Grand Shrine) の上社と下社を結ぶ様に観え、あたかも、男神の建御名方命が、女神の八坂刀売命に逢いに行った足跡の様にみえるのである。
この歌では、寒い中を思い切って恋人の許へ向かうべきだろうか、それとも、もう少し暖かくなってから向かうべきかと、実際の行動への揺らぐこころを詠んでいる。
だが、それと同時に、冷えきった恋人の感情もしくはふたりの関係をも暗示しているのではないだろうか。恋人の感情をなんとかしたい、関係を修復したいと想いながらも、今直ちに行動すべきか、それとも、文字通りの冷却期間をおくべきか、と。
結句「かは」は疑問・反語の係助詞。ここでは疑問の意に解釈したが、反語という解釈もあり得る。
いずれにしても、上の<意味>の様に、文末に語を補って解釈する必要がある。また、その場合、補うべき語句は係り結びの法則によって連体形になる事も注意すべきである。

(この項:たい)

posted =oyo= : 17:15 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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