2013年06月20日
独リ寝ヲ詠メル
独楽よ独楽 踊り果てぬな 閨の中 悶えてあけね 闇と静寂と
るい詠める
<読み>
こまよこま おどりはてぬな ねやのなか もだえてあけね やみとしじまと
<意味>
独楽よ独楽よ、回転を止めてはいけないこの寝室では、悶えながらあけてしまえ、夜の闇と静けさよ。
<解説>
孤閨の寂しさを詠った歌なのであろう、という察しはすぐにつくのだけれども、ぢゃあ、具体的にどおゆう叙景を詠んだ歌かと考えだすと、途端にその解釈が難しくなる。
と、言うのは、ここにある感情は、随分と激しいモノだからだ。
そして、初句に登場する独楽の謎。夜中に独楽回しに勤しんでいるとも思えないから、なんらかの比喩であろうとはすぐに解るのだけれども、それを明から様に指摘するのを、躊躇わせるモノがある。
第2句「果てぬな」は、タ行下二段活用動詞「果つ」連用形に完了の助動詞「ぬ」終止形に、禁止の終助詞「な」。「果ててしまってはいけない」と訳す。
第4句「あけね」は、カ行下二段活用動詞「あく」連用形に完了の助動詞「ぬ」命令形。「あけてしまえ」と訳す。
つまり、この歌には、命令文がふたつもあるのである。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:39 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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