2013年09月26日
野分立チテ詠メル
けふもまた 嵐の前の 静けさが 静けさの侭 過ぎてゆく朝
るい詠める
<読み>
きょうもまた あらしのまえの しずけさが しずけさのまま すぎてゆくあさ
<意味>
今日もまた嵐の前の静けさが静けさの侭過ぎてゆく朝 [を迎えた]。
<解説>
一見、口語自由律の短歌かと思いきや、実は五七五七七の定型に則っている。初句を観れば旧仮名だ [上の2項目、<読み>と<意味>の目的は本来、文法的な説明の手立てとして設けてあるモノだから、そおゆう作風に転じてしまうと、存在意義も薄まってしまうのだが ... ぶつぶつ ...]。
その発生当初から上陸が心配された台風20号は、本州の地形を撫でる様にして逸れて行き、その可能性はなくなった。
とは謂うモノの、今朝は重く雲がのしかかり、いつまでたっても日乃出前の暗さのままで、いつ天候が急転しても不思議ではない。この歌の2句以降は、そんな一抹の不安が不安な侭、いつまでも晴れる事のないその日を、「嵐の前の静けさ (Calm Before The Storm)」という慣用句にそのまま乗じて、描写している。
だけれども、それが単純に天候の事を詠んだモノではないのは、初句「きょうもまた」があるからだ。
停滞したまま、いっかな解決への道がみえない、波乱含みのモノゴトがいつまでも、そこにあるのだろう。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:31 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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