2013年10月03日
或ル華燭ノ典ヲ詠メル
雨後の花 宙にぞ舞ふて 眩しかる 吾になきもの きみの得しもの
るい詠める
<読み>
うごのはな そらにぞまうて まぶしかる われになきもの きみのえしもの
<意味>
雨上がりの花が空に舞って眩しい。 [それは] わたしにないものとあなあたがえたもの [のせいだ]。
<解説>
詞書を参考に考えてみると、初句「雨後の花」は、ブーケ・トス (Bouquet Toss) の花束なのだろうか。式典中はあいにくの雨だったものが、式が終わる頃には晴れ渡った時の情景と、考えられなくもない。
その一方で、こおゆう催し物が雨に見舞われると大概、その参加者のひとりは「雨降って地固まる (After a storm comes a calm.)」という慣用句を発する。そこからの連想で、紆余曲折のあった新郎新婦の辿り着いた今日と謂う日、とも考えられなくもない。
いずれにしろ、そんなこの時季によく観られる光景のなかにあって、作者の心境が下句にそのまま描写されている。そして、それは結句で登場する「きみ」が誰なのかによって、いくらでも解釈の可能性が膨らむのだ。
単純に、そのブーケ・トス (Bouquet Toss) の花束を得た参列者のひとりに向けて「きみ」と発した状況を考えたとしても、そう発する作者の心象の、その解釈の余地はいくらでもあるのではないだろうか。
第2句「宙にぞ舞ふて」の「ぞ」は係助詞なので、係り結びの法則によって、第3句「眩しかる」と形容詞は連体形になる。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:41 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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