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| Lilian Harvey in "Das gibt's nur einmal" »
2013年10月10日
乙女ヲ詠メル
しぃと謂ふ 色は匂へと くち封じ 指も知らずや 奥のその、淫
るい詠める
<読み>
しぃという いろはにおえど くちふうじ ゆびもしらずや おくのその、いん
<意味>
[人差し指を唇にあてて] しぃっと謂う。気配でばれてしまっているけれども、口封じ。指もしらないのは、奥のそこにある園の、淫。
<解説>
困ったね。
困ったから技巧的な部分だけに触れておく。
結句の「その」は指示代名詞の「その」と普通名詞の「園」との掛詞。
第2句はいろはにほへと (Iroha) の、と謂うか、その元になった今様 (Imayo) 『色は匂へと (Iroha)』をそのまま流用している訳だけれども、歌の中での意味上、平兼盛 (Taira no Kanemori) の『しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで (Though I would hide it, / In my face it still appears-- / My fond, secret love. / And now he questions me: / "Is something bothering you?")』で使われている「色」に因んでいる様に読める。本歌取りと謂うモノなのかは疑問だけれども、「誰の眼にも明らかなのだけれども」という作者の意識の中では、気分は濃厚だ。
(この項:たい)
posted =oyo= : 16:57 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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