2014年07月10日
野分前、夜独リヲ詠メル
秘すべしと 逢ふて契りし きみなれど 塞ぐも難し もうひとつのくち
<読み>
ひすべしと あうてちぎりし きみなれど ふさぐもかたし もうひとつのくち
<意味>
秘密にするべきであると、逢って約束して契ったあなただけれども、もうひとつの口を塞ぐのは難しい。
<解説>
第2句「契りし」は、”約束する”と”肉体関係をもつ”との掛詞であろう、と謂うのはすぐに気づく。だけれども、そこからどう解釈していいのかが解らない。
言葉上の解釈は上の<意味>で汲んでいると想うのだけれども、問題は結句の「もうひとつのくち」だ。
詞書によれば、独りぼっちの夜である訳だから、ネットやSNSを通じて、つい口が滑ってしまうと、解釈すればいいのだろうか。と謂うか、それともこんな風に作品として公表してしまう事に解釈すればいいのだろうか。いずれにしても、それはギリシア神話 / Greek Mythologyのミダス王 (King Midas) の故事『王様の耳は驢馬の耳 (King Midas Has Donkey's Ears!)』を想起させる。これを諺的に言い換えると『人の口には戸が立てられぬ (People Will Talk.)』となって、もう少し、意味や解釈の余地は広くなる。
それとも、作者の正体は実は二口女 (Futakuchi-onna : Two-mouthed Woman) かなにかで、実際に、口腔が複数あるのだろうか。
それとも、もう少し不謹慎に、女性器 (Female Genital System) の比喩と捉え、自慰 (Masterbation) とかを想像すればいいのだろうか。
posted =oyo= : 18:02 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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