2014年07月17日
静脈ヲ詠メル
なつの夕 ひだりのてくび あをくうく 嘗ての母の そにも似て
るい詠める
<読み>
なつのゆう ひだりのてくび あおくうく かつてのははの そにもにて
<意味>
夏の夕べに左手首にあおく浮いている静脈は、かつての母のそれにも似ている
<解説>
描写されている様を解釈するのは、難しくもなんともない。
だけれども、それに込められているおもいを推し量るのは、難しい。否、実際は難解ではないのだが、この歌を読むモノによって、いくらでも、ありとあらゆる解釈が可能なのだ。
ひとつは、自身の左手首に浮き出た静脈 (Vein) を観ると謂う行為の意味、もうひとつはそれが、おそらく自身が幼い頃に観た母の静脈 (Vein) に似ていると謂う意味。
単純に、親子だから似ているね、と謂う解釈にはなり得ない様な気がするが、どうか。
そして、そんな風に幾重にも解釈の可能性を広げているのが、五七五七五と謂う字足らずの形式なのではないか。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:15 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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