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2014年08月21日

えすかれーたーヲ詠メル

20140821.jpg
地下の駅 ふりさけみれば 最後尾 独り遅れて 昇る不安

るい詠める

<読み>
ちかのえき ふりさけみれば さいこうび ひとりおくれて のぼるふあん

<意味>
地下の駅で遥か向こう [にあるエスカレーター] を眺めてみると最後尾に、ひとり遅れて昇るのは不安なんだろうなぁ。

<解説>
第2句「ふりさけみれば」は、他動詞 マ行上一段活用動詞已然形「振り放け見れ」 + 原因・理由を示す接続助詞「ば」で、意味は"遠くを眺めて見ていると"となる。
接続助詞「ば」は幾つもの用法があるがそれについては前回を参照してもらいたい。
順番は逆になったが、他動詞 マ行上一段活用動詞「振り放け見」の意味は、「振り仰いで遠くを見る」である。『小倉百人一首 (Ogura Hyakunin Isshu )』のひとつ、阿倍仲麻呂 (Abe no Nakamaro) の『天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも (When I look up at
The wide-stretched plain of heaven, / Is the moon the same / That rose on Mount Mikasa / In the land of Kasuga?
)』を参照してもらいたい。
だから、<意味>は上の様に、作者から遠くの方に観える、上に昇るエスカレーター (Escalator) を目指して急いで向うある人物の叙景 [その人物は作者自身の姿かもしれないのだが] を詠んだモノと解釈出来る。
だけれども、なんとなく、擬人化した不安の象徴とでも呼べる様な存在が、ぽつねんとエスカレーター (Escalator) 最後尾に並んでいるとでも、解釈したくなるのだ。

(この項:たい)

posted =oyo= : 17:23 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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