2014年09月25日
衣替ヘノ候ヲ詠メル
夜は雨 あける窓の端 滲む灯を 濡れる裳裾に 浮かぶはあきの
るい詠める
<読み>
よるはあめ あけるまどのは にじむひを ぬれるもすそに うかぶはあきの
<意味>
夜になると雨が降り出す。明るい窓を開けると街灯が滲んで観える [その灯りをうけて] 濡れている衣服の裾に秋の [気配が] 浮かんでいる。
<解説>
最初は、夜の雨に打たれて帰宅した叙景なのかなぁと想って読んでみたが、いろいろと辻褄があわない。自ら身を以て体感した雨をまた、窓をあけて態々、追認するのかなぁ、と。
いや、しない事もないだろうけれども、だとしたら、その行動のなかに、雨と謂うモノの意義は、異なって顕われているのではないだろうか。濡れる雨と観る雨との。
だから、第4句の「裳裾」を濡らしているのは、雨ではない可能性もあるのでは、と想えても来る。そうすれば結句の「あき」が"秋"と"飽き"を内在させて来る意味も出てくるであろうし、詞書に「衣替ヘ」が登場する意義も出て来る。
第2句「あける」は"開ける"と"明ける"の掛詞でもあるのだろう。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:11 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.rtm.gr.jp/mt/mt-tb.cgi/1712