2015年01月29日
惨劇ヲ詠メル
掛巾の 向かふに咲くや 薔薇のはな しろい花磚に 濡れた掌のあと
るい詠める
<読み>
かーてんの むこうにさくや ばらのはな しろいたいるに ぬれたてのあと
<意味>
カーテンの向こう側に咲いているのだろうか薔薇の花は。白いタイルに濡れた掌の跡 [がある]。
<解説>
初句「掛巾」はカーテン (Curtain)、第4句「花磚」はタイル (Tile) とそれぞれ読む。ちなみに、カーテン (Curtain) に当たる漢字表記は幾種類もある様だが、この「掛巾」は横溝正史 (Seishi Yokomizo) が使用しているモノだそうだ。
と、謂う様な訳で詞書にある様に、ある物語の一断片を詠んだ歌なのであろう。個人的には映画『サイコ (Psycho)』アルフレッド・ヒッチコック (Alfred Hitchcock) 監督作品 1960年制作] の一番最初に登場する殺害シーン (The Shower Scene) を想起する。そんな惨劇が繰り広げられた後の、犯行現場発見のシーンなのだろう。
第3句「薔薇のはな」がなにを比喩しているのかは敢えて指摘するまでもない。「しろい花磚に」「濡れた掌のあと」があると解るのは、その跡が無色透明の液体ではない、着色されたモノであるからだ。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:19 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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