2015年05月14日
湯浴ミテ詠メル
黒髪を よりくろぐろと 濡らしめむ きみの頤 のどぼとけ経て
るい詠める
<読み>
くろかみを よりくろぐろと ぬらしめん きみのおとがい のどぼとけへて
<意味>
黒髪をさらに黒々と濡らさせるのだろう、あなたの顎と喉仏を経由して。
<解説>
全体的な雰囲気は、シャワー等を浴びている情景なのだろうなぁ、と謂うのはすぐに判読出来るが、几帳面に文法を追っていくと途端に怪しくなる。
第3句「濡らしめむ」は四段活用動詞「濡る」未然形 + 使役の助動詞「しむ」未然形 + 助動詞「む」終止形なのだろうが、最後の助動詞「む」をどう解釈すべきかで悩む(ここでは最も無難なモノに解釈してある)。助動詞「む」には、(現在)推量、希望、仮定、等の用法があり、そのいずれを採用するかで、作者と第4句の「きみ」の状況が微妙に異なる様に思えるのだ(真剣に吟味すると、その前の使役の助動詞「しむ」の解釈すらも怪しいのだが)。
つまり、湯浴みしているのは誰なのか、初句「黒髪」は誰のモノなのか、と謂う事なのである。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:08 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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