2016年04月07日
春ノ嵐ニ詠メル
然らぬだに 傘をひらくも 口惜しゆ こころのこりと 流るるは花
るい詠める
<読み>
さらぬだに かさをひらくも くちおしゅう こころのこりと ながるるははな
<意味>
そうでなくてさえ 傘をひらくのも口惜しい。心残りと流れているのは桜である。
<解説>
初句「然らぬだに」を文法的に解釈すれば、"さにあらぬだに"の略とみなして、副詞「然 [さ]」 + 格助詞「に」 + ラ行変格活用動詞「あり」未然形 + 打消の助動詞「ず」連体形 + 否定・反語の副助詞「だに」となるのだろうか。
と、なると歌の解釈として、「然」が指し示しているモノを明示する必要が生じるが、果たして、一体、何を指しているのであろうか。
ぼくとしては単純に、詞書にある「春ノ嵐」を指していると理解しているが、もう少し、複雑な事情がこの歌にはあるのかもしれない。
今日は終日、春の嵐が吹き荒れて、おそらく、今年の桜も最後だろう。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:27 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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