2016年07月28日
白昼ニ詠メル
手巾を 蝉なく樹々の その下に 喪服ふたりの 駈ける午
るい詠める
<読み>
はんかちを せみなくきぎの そのしたに もふくふたりの かけるひる
<意味>
ハンカチを、蝉が鳴いている樹々のその下を喪服を着たふたりが走っていく正午 [である]。
<解説>
みるからに暑そうな光景なのだが、詠まれている喪服を着たふたりの人物は、葬儀の列席者なのだろうか、それとも、列席者を案内する為に手配された関係者なのだろうか、と考えを巡らせるのも面倒な程に暑そうだ。
但し、第2句に登場する蝉が、夏の生を謳歌している様にみえて実は、もう間も無く死に逝く宿命である事を思えば、喪服を着た人物ふたりは、死者の許に向かっている様で実は生の最中にある。
初句「手巾」はハンカチと読むが、この場合、歌のどこにかかるのだろうか。この語句がぽおんと投じられた結果、汗と謂う語句が連想されると同時に、ハンカチの白さと対比する様に、喪服の黒が強調されている様に思える。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:26 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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