2017年03月02日
待チ人待チテ詠メル
啓蟄は 長押にひとつ 衣紋掛 羽織るふくにや はだかのままに
るい詠める
<読み>
けいちつは なげしにひとつ えもんかけ はおるふくにや はだかのままに
<意味>
啓蟄の日は、長押にひとつ衣紋掛 [が架かっている]。[その衣紋掛には] 羽織る服があるのだろうか、裸のままでいる。
<解説>
初句「啓蟄」は二十四節気 (Solar Term) のひとつ。3月上旬から春分 (Vernal Equinox) までの期間。
第2句「長押」は、和室の壁に水平方向に走る木材。"なげし"と読む。
第3句「衣紋掛」は、ハンガー (Hanger) の事。あらためて綴る必要はないかもしれないが、最近とんと使わなない語句でもあるので、念の為。
第4句「にや」は、断定の助動詞"なり"連用形 + 疑問の係助詞"や"。文末に"あらむ"等の語句が省略されていると解する。猶、この場合、疑問の係助詞"や"の存在によって係り結びの法則が機能する事を忘れてはならない。よって、省略されている"あらむ"は、ラ行変格活用動詞"あり"未然形 + 推量の助動詞"む"連体形となる。字義は"あるのだろうか"と解釈出来る。
結句に関しては、なにもない。敢えて謂えば、衣紋掛 /ハンガー (Hanger) の擬人化 (Personification) だ。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:23 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.rtm.gr.jp/mt/mt-tb.cgi/2260