2018年05月17日
樹蔭ニテ詠メル
ながるるは しろくあわくも 夏のこひ かざす掌のうち 手巾にも似て
るい詠める
<読み>
ながるるは しろくあわくも なつのこい かざすてのうち はんかちにもにて
<意味>
流れていく [雲] は白くて淡い夏の恋である。[その雲の行方を眺める為に] かざすわたしの掌が握るハンカチに似ている。
<解説>
気温だけをみれば、もう夏である。それでもまだ過ごしやすいのは、からりとした空気のせいなのであろうか [と、思うと梅雨と謂う時季がいかにも恨めしい存在かと思えてしまうのだが]。
この歌で考えなければならないのは、結句にある「手巾」が意味しているモノだ。既に己が掌中にありと単純に考えていいモノなのだろうか。
と、謂うのは、上の句で第3句の「夏のこひ」を「ながるる」と評しているからだ。
文法上、「ながるる」は下ラ行下二段動詞連体形なので体言が省略されていると考えられるために、上の<意味>では"雲"と謂う文字を補ってみたのだが、果たして。
他の解釈の可能性もあるのであろうか。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:20 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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