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2018年10月11日

手術台ヲ詠メル

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あかとあおと くるくるまはる とくはやく うしなゐし夢は 走馬灯よりも

るい詠める

<読み>
あかとあおと くるくるまわる とくはやく うしないしゆめは 走馬灯よりも

<意味>
赤と青 [の光] とともに、くるくると回転して早く速くと [促している] 失った夢は走馬灯よりも [疾い]。

<解説>
手術した事は過去、何回かあって、その始まるまでの様は、まるでドラマかなにかである様な、どこかで観た事のある光景と手順で進んでいく。これから手術をうける本人ながら、全く他人事のようであった。
手術室 (Operating Room) に入れられると、蜂の巣の様な灯りが眼の前に現れる。無影灯 (Surgical Lighting) と謂うのだそうだ。そしてそれを背景にして幾つもの顔が、身動きの出来ないぼくの視線に入ってくる。勿論、医師 (Doctor) や看護師 (Nurse) のそれだ。酸素マスク (Oxygen Mask) を充てがわれて、麻酔科医 (Anesthesiologist) が麻酔 (Anesthesia) の説明を始めるや否や、ぼくの意識は遠のいてしまう。
個人的な体験を縷々と綴ってみたのは、この間に、歌に顕れる様な光景をみただろうかと、ふと思ったからだ。
玩具の走馬灯 (Revolving Lantern) はその内部にある蝋燭の、灯した炎から立ち昇る上昇気流によって回転する。決してはやくはない。しかし、記憶や追憶をかりたてる装置としての走馬灯 (Revolving Lantern)、つまり比喩としての走馬灯 (Seeing One's Life Fflashing In Front Of One) の、回転するはやさは如何許りなのだろうか。
少なくとも、過去への追想よりも、未来への諦念の方がはやいと、この歌はのべている。

(この項:たい)

posted =oyo= : 17:18 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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