2018年11月22日
湯浴ミテ詠メル
冬の朝に 湯殿の縁に 腰掛けて まはる握りの むかふをおもふ
るい詠める
<読み>
ふゆのあさに ゆどののへりに こしかけて まわるにぎりの むこうをおもう
<意味>
冬の朝に浴槽の縁に腰掛けてまわるドアノブのむこう [にいるそのヒト] を想う。
<解説>
入浴中、扉のむこうにいる誰かの気配を感じる。その叙景を詠んだ歌である。特に指摘すべき箇所はないが、初句「冬の朝に」と第3句「腰掛けて」で、寒いその朝の入浴によって、作者本人はかなり暖かい思いをしているのだろう、と謂う事が解る。それ故に生じるこころの余裕めいたモノが、下の句を促しているのであろう。
結句「おもふ」から、実際に「握り」が回っているのかどうか、「むかふ」に誰かがいるのかどうかは判別し難い。一切が作者の空想であるかもしれず、実際に浴室の外に誰かが佇んでいるのかもしれない。仮に後者だとしたら、結句「おもふ」の対象は、その人物の内心と謂う事になるであろう。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:18 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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