2019年02月28日
吸血鬼ヲ詠メル
やは肌に ふるいふたつは まだあかく その夜の痕と 今のそのさき
るい詠める
<読み>
やわはだに ふるいふたつは まだあかく そのよのあとと いまのそのさき
<意味>
[わたしの] ふるいふたつの傷はまだあかくその夜に遺された痕に、現在と今後 [が思いやられる]。
<解説>
ある夜の出来事と、その結果としての痕跡が、その時の相手との現在と今後へと作者の意識を向かわせる。歌の趣旨はその様なモノで、英語での慣用句"ナウ・アンド・ゼン (Now And Then)"に相当する。
上の<意味>では、「やは肌」の持ち主を作者と解してみたが、「その夜の痕」を「やは肌」に遺した本人がこの歌を詠んだと解しても、成立しない訳ではない。
つまり、詞書にある「吸血鬼」は誰なのかと謂う問題である。
第4句「痕」は"後"との掛詞であろう。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:19 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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