2019年12月12日
アル物語リヲ読ミテ詠メル
わがみをば ふしあわせと なげくふみ わらふふたりの 児らのゑとあり
るい詠める
<読み>
わがみをば ふしあわせと なげくふみ わらうふたりの このえとあり
<意味>
自身の境遇を不幸であると嘆く手紙と [それに封入してある] 笑顔のふたりの子供達の写真がある。
<解説>
詞書にある「物語リ」がなんであるかは解らない。そして、どこからどこまでがその物語の範疇にあるのかも解らない。「ふみ」と「ゑ」が物語のなかにあるのは当然としても、それを読んでいるのは、果たして、登場人物なのか、それとも、その物語を読んでいるこの歌の作者なのか、その点が不明瞭なのである。
つまり、歌の作者は一体、どこにいるのだろうか、と謂う疑問がそこにある。その本人がそれを意図しているかどうかも解らない。
そんな謎を堪能すれば良いのであろうか。
尤も、それ以前に、「ふみ」に綴られているであろう「ふしあわせ」と、「ゑ」に写されている「わらふふたり」とが、噛み合っていないのだ。
かつての幸福だった時代と現在との対比なのであろうか、それとも、笑顔が虚飾にまみれたモノであると謂う主張なのだろうか。想像ばかりが刺激されるのである。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:13 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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